上級者になるためには、マーケット経験はもちろんのこと、トレーダー心理を理解しなければいけません。FX業界はルール通りにエントリーしたからといって、毎回勝てるほど甘い世界ではないのです。
勝ち続けるためには、マーケットの流れを読む「コツ」や「特性」を理解し、肌で感じ取る必要があります。そうした人のみが上級者へなれるのです。
そこで、この記事ではトレード歴1年以上の方を対象に、プライスアクションという手法をご紹介します。
こちらの記事は上級者の方向けの記事です!初心者の方と中級者の方のために、それぞれの記事を同サイトであげているのでそちらを参考にしてください。
●初心者向け 「初心者が知るべき超基礎のローソク足【11個に厳選】」
●中級者向け 「FX中級者が知っておくとプラスになるローソク足のパターン【5個に厳選】」
目次
プライスアクション
手法の中には、インジケーターを一切利用せずに、ローソク足のみで相場を分析するシンプルな方法もあります。そのような方法をプライスアクションと呼びます。
ローソク足の形で、トレンド方向に勢いづいているのか、もしくは相場が転換しそうなのかと、おのずとロングとショートどちらの方向にエントリーするか、そのタイミングも決まってきます。さらに、値動きはインジケーターと違ってダイレクトにわかるので、その分トレード判断も早くなります。
それでは、どんなプライアクションがあるのかみていきましょう。
スラストアップ
直前のローソク足の高値よりも高い価格で終値が確定し、陽線が連続して現れることをスラストアップと呼びます。ひげが短く、実体部分が長いほど相場に勢いがあります。これだけではエントリー根拠としては薄いですが、高値を更新した後にスラストアップが現れると、それだけトレンドが強いということになります。
スラストダウン
スラストアップと逆の特性を持ち、陰線が連続して現れることをスラストダウンと呼びます。これだけではエントリー根拠としては薄いですが、安値を更新した後にスラストダウンが現れると、それだけトレンドが強いということになります。
ランウェイアップ
継続的に値段が上昇していくトレンドの途中で、大きく伸びたローソク足によって次の価格帯へトレンドが進んでいることをランウェイアップと呼びます。
大きく伸びたローソク足(母線)の高値が過去5本よりも高く、次の5本のローソク足が大きく伸びたローソク足の安値を下回らない状態です。
ランウェイダウン
ランウェイアップと逆の特性を持ち、継続的に値段が下落していくトレンドの途中で、大きく伸びたローソク足によって次の価格帯へトレンドが進んでいることをランウェイダウンと呼びます。
ピンバー(十字線)
ひげが長く、実体部分がほとんどないローソク足をピンバー(十字線)と呼びます。買い方と売り方の勢力が拮抗している状態を表しています。
高値圏で、ピンバーが発生すると、これまでのロング勢の勢いをショート勢が止めたことになり、下落への転換点のサインとも受け取れます。反対に、安値圏でピンバーが発生すると、これまでのショート勢の勢いをロング勢が止めたことになり、上昇への転換点のサインとも受け取れます。
また、強い抵抗帯や支持帯がある価格帯でもピンバーが発生すると、反発する可能性が高いです。例えば、ピボット付近でピンバーが出現したときは要注意です。
一方で、強い抵抗帯や支持帯がある価格帯や大きな節目でもないのに、トレンドの途中で現れた場合は、一時的な停滞を示している可能性もあります。
リバーサルハイ
ローソク足が以下の2つの条件を満たした場合をリバーサルハイと呼びます。
- 直前のローソク足の高値を更新する
- 終値が直前のローソク足の終値を下回る
直近高値を更新したにもかかわらず、陰線でローソク足が確定したことになるので、リバーサルハイが発生した場合トレンドが転換する可能性があります。
リバーサルロー
ローソク足が以下の2つの条件を満たした場合をリバーサルローと呼びます。
- 直前のローソク足の安値を更新する
- 終値が直前のローソク足の終値を上回る
リバーサルハイと逆の特性を持ち、直近安値を更新したにもかかわらず、陽線でローソク足が確定したことになるので、リバーサルローが発生した場合トレンドが転換する可能性があります。
インサイド
インサイドは、一時的な停滞を示すことで、直前のローソク足(母線)の高値と安値の間に、次のローソク足が収まる形をいいます。これを利用して、母線の高値や安値をブレイクしたらエントリーするという手法もあります。
直前のローソク足の高値や安値の間に収まっているローソク足の数が多ければ多いほど、パワーが溜まっているということなので、強いトレンドが発生しやすいといわれています。
アウトサイド
アウトサイドは、次に現れるローソク足が直前のローソク足の高値や安値を覆う形を言います。次に現れるローソク足の高値や安値の間に収まっているローソク足の数が多ければ多いほど、パワーが溜まっているということなので、強いトレンドが発生しやすいといわれています。
MT4やMT5のデフォルトのチャートでは、陽線か陰線かの判定がしづらいです。プライスアクションを利用する際は、ローソク足の色を赤と青などに変更しておくのをおすすめします。
プライスアクションを利用した実践トレード
ローソク足のひげの長さに注目する手法
プライスアクションは、ひげの長さに注目することがポイントです。
下記の図で、上昇トレンドのローソク足を陽線と陰線、それぞれの場合で考えてみましょう。
表
①上ひげが短く、下ひげが長い
陽線の場合、価格が下がり、ロング勢が増えたのでトレンドに勢いがついてきています。次の足で陽線がでれば、トレンド継続となるでしょう。反対に、陰線の場合、価格が下がってロング勢は多くなったが、売り圧力も徐々に強まっている状態です。
②上ひげと下ひげ、どちらも短い
陽線の場合、ロング勢とショート勢の割合が拮抗している状態です。一時的な停滞を表しています。反対に、陰線の場合、ロング勢とショート勢のバランスがとれていたが、ややショート勢が多い状態です。次のローソク足に注目です。
③上ひげが長く、下ひげが短い
始値より終値の方が価格は高かったが、高値付近で、売られてしまった状態です。次の足が陰線になれば、上昇トレンドが弱まっていることになります。反対に、陰線の場合、直近高値を更新しているにもかかわらず、長いひげをつけて陰線になったということなので、トレンドが転換する可能性が非常に高いといえるでしょう。重要なサインなので見逃さないようにしましょう。
上級者におすすめの手法
上級者の方におすすめの手法が、前述したリバーサルハイと下降トライアングルを組み合わせることです。
下降トライアングルとは、下辺のラインが水平であり、上辺のラインは徐々に下降している三角形のことを指します。何度か下値を割にいこうとしますが抜け切れず、もみあいながらも上値が少しずつ切り下がっていって、上辺と下辺が交わる直前に、下辺ラインを突破し、一気に下がることをいいます。
高値圏でリバーサルハイが現れ、高値が徐々に切り下がる下降トライアングルの形だと勝率もいいです。高値圏でリバーサルハイと下降トライアングルが現れた場合、トレンド転換の可能性があります。
買い支えられている下辺ラインをローソク足が実体で割った場合、エントリーします。ストップは下辺ラインを抜ける直前の高値に設定するのがおすすめです。
まとめ
プライスアクションを極めることによって、市場の重要な節目の動きがわかり、その後もどのような動きをするのかという予想を立てやすくなります。しかし、プライスアクションだけですべてを判断するのは、困難な時もあると思います。プライスアクションと「FX中級者が知っておくとプラスになるローソク足のパターン【5個に厳選】」という記事にあげている5個のローソク足の重要パターンを組み合わせ、総合的に分析すると、さらに勝ちやすくなるでしょう。