ミシガン大学消費者信頼感指数とは?
ミシガン大学消費者信頼感指数とは、ミシガン大学のサーベイ・リサーチセンターが実施する、消費者のマインド調査によって数値化された消費者信頼感指数です。これは毎月発表されます。
この数値は、1964年の指数を100という基盤にして算出します。速報値では300人、確報値では500人を対象に電話調査を行って算出がされます。速報値は毎月第2もしくは第3金曜日、確定値は毎月最終金曜日に発表されています。
調査対象が少ないこともあり指数のブレが大きいとされていますが、これによってアメリカのGDPの約70%を占める個人消費の動向が確認できることから注目がされています。
また、全米産業審議会(コンファレンスボード)が発表する消費者信頼感指数よりも先行して発表されることからも注目されている要因になります。
この調査の回答者は、「家族の財務状況が1年前よりも改善したか、もしくは悪化したか」「回答者自身は家族の財務状況が今後1年で改善・改悪のどちらになると思うか」「今後1年でビジネス状況は改善するか悪化するか」「今後5年間で国の状況はどのように変化する可能性があると思うか。回答者は失業や不況の安定、成長に期待はしているか」「家や車など大規模な家財道具の購入に適している時期だと思うか」の問いに答えます。
これらの答えを、正の値から負の値の割合を差し引き、100が結果の値に加算されて計算がされます。そしてその得られた値を合計してベンチマーク値である6.7558で除算をし、それにサンプル組成の補正定数である2を加算して算出されます。
アメリカ・ミシガン大学消費者信頼感指数のFXにおける影響度・チャートの値動き
ミシガン大学消費者信頼感指数は、アメリカ国内の家庭の経済力、財務の変化、経済状況、将来の財務状況の予想と評価など、金銭を払う意欲があるかどうかの評価を測っています。
そのため、この指数が伸びることはアメリカの経済の健全な予測を可能にするとされます。また、大量購入・消費活動の伸びはインフレの伸びを示す先行指標となる可能性も含まれています。それにより、この指数の伸びは米ドルにとってのプラス要因としてみなされます。
また、このなかでも集計した数値のうち現状判断指数である約40%と先行き期待指数約60%で構成されているなかの、期待指数(約60%)が景気の先行指数の構成要素となっています。
さらに、この数値は月ごとのブレの幅が大きいことからも、マーケットの注目度が高くなっています。
そのため、ミシガン大学消費者信頼感指数でトレンドの推測をし、最終的にコンファレンスボードが発表する消費者信頼感指数で消費者のマインドを確認する形をとることになります。
まとめ
このように、ミシガン大学消費者信頼感指数は、その数値の上昇は消費者の購買意欲の高まりから景気の向上として見られ、反対に下降は購買意欲の低下により景気の悪化としてみることができる、判断材料の一つになります。
また、このように景気の判断基準としてみられるため、この数値によってドルの売り買いもされるため、注視する必要のある指標だといえるでしょう。
コンファレンスボードからの発表が5,000人を対象としたものよりも少ない500人を調査対象としていることから指数のブレが大きいとされていますが、このミシガン大学消費者信頼感指数とコンファレンスボードの消費者信頼感指数を併せて見ていくことでこの数値の予測ができます。
また、アンケート項目である景況感・所得・雇用状況を国民に直接電話での調査をして算出をするため、リアルな数字が出されます。
このことから、アメリカ国内の消費マインドを推測する代表的な指標として利用がされます。また、個人消費との連動もあり、景気動向の判断をする際にも活用がされる数字です。この数値の動きによってドルの売買にも関係するため、取引の際に着目するといい指標のひとつといえるでしょう。