ダウ理論は、テクニカル分析の元祖と呼ばれている重要な理論になります。
- FXのダウ理論って何?
- ダウ理論を覚えなくてもFXで稼げる?
ダウ理論についてこのように思われている方は多くいらっしゃるでしょう。ダウ理論は、全てのテクニカル分析のベースとなる基礎知識なので、FXで稼ぎたいのであればしっかりと身につける必要があります。
そこでこの記事では、FXトレード歴10年以上になる管理人が、ダウ理論を構成する「6個の基本法則」についてご紹介していきます。最後に、実際のチャートを用いながらダウ理論を解説していくのでこれからFXを始める方は是非参考にしてください。
目次
FXのダウ理論とは?
ダウ理論とは、アメリカのジャーナリストで証券アナリストでもあったチャールズ・ダウ氏が提唱した理論になります。簡単に言えば、安値を切り上げて高値を切り上げれば上昇トレンド、高値を切り
下げて安値を切り下げれば下降トレンドという理論です。
それだけでもトレンドの判断は可能ですが、ダウ理論には以下の6個の基本的な法則があると言われています。
- 平均はすべての事象を織り込む
- トレンドには3種類ある
- 主要トレンドは3段階からなる
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
- トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
これらすべての法則をすべて解説してしまうと混乱させてしまうかもしれないので、ここからはFXを行う上でこれだけ知っておけば大丈夫という「②トレンドには3種類ある」「③主要トレンドは3段階からなる」「⑥トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」について解説していきます。
トレンドには3種類ある
トレンドには以下の3種類があります。
- 主要トレンド:1年から数年のサイクル
- 二次トレンド:3週間から3ヶ月のサイクル
- 小トレンド:3週間未満のサイクル
これら3種類のトレンドが市場には存在してます。それぞれのトレンドは互いに独立しているというわけではなく、二次トレンドは主要トレンドの調整であり、小トレンドは二次トレンドの調整であると考えられています。
大きいトレンドの更に上に大きいトレンドがあって、そのトレンドの中で下位のトレンドは動いているということです。基本的に大きい流れには逆らわないという理由もここからきています。
主要トレンドは3段階からなる
主要トレンドは市場参加者によって、以下の3つの段階があるといわれています。
- 先行期
- 追随期
- 利食い期
それでは、順番にみていきましょう。
先行期
先行期とは、市場価格が下落している局面で悪材料は織り込まれたとみる少数の投資家が底値買いをする時期のことです。チャートでは、下降トレンドか底値圏で推移しています。
追随期
追随期とは、市場価格が上昇トレンドとなっており、順張りの投資家が買いを入れる時期のことをいいます。
利食い期
利食い期とは、価格が十分上昇したところで先行期で買いを入れている投資家が利益確定の注文をする時期のことをいいます。上昇トレンドであるが上昇スピードが遅くなってきている頃です。
なお、これら3段階の中で、追随期のレートの伸びが一番大きくなります。
トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」とは、明確なトレンドの転換シグナルが発生するまでは、現在のトレンドが継続するという考え方です。これは、値頃感の逆張りトレードが危険な理由にもなります。
どこが相場の転換点かというと、大きなトレンドの中でアップダウンをする小さなトレンドがあるとしたら、小さなトレンドの安値は前に起きているダウンの安値を下回らなければ大きなトレンドが変わっていないとみます。
前に起きた小さなトレンドの安値より下回ったら、トレンドの変換点と判断するのが、ダウ理論の「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」の考え方です。
実際のチャートを用いてダウ理論を判断

上記のトレンドは上昇トレンドですが、赤→青→緑と角度を変えながらそれぞれ安値高値を切り上げながら上昇トレンドを形成しています。このような角度を変えながらのトレンド判断をしていかなければいけないような相場では、ダウ理論だけでトレードする方には難しい相場になります。
ダウ理論だけでエントリーは難しい
ダウ理論だけでのエントリーは難しい理由をさらにわかりやすいように画像を用いて解説しましょう。

通常、ダウ理論で上昇トレンドと判断できる場合は、上記の図のように①③で安値が切りあがり、②④で高値が切り上がった後になります。
そうすると、⑤からのロングエントリーを戦略として取っていくのがダウ理論だけで考えるとセオリーになります。

しかし、上記の場合はトレンドラインまで下げていないので入りずらいのです。
そのため、他の手法とも組み合わせながら、エントリーをする必要があります。