ECB政策金利発表とは?
ECB政策金利発表とは、ユーロ圏の金融の最高意思決定機関である欧州中央銀行(European Central Bank)による、政策金利の発表のことです。
この内容は6週間ごとの開催で、月1回目の理事会によって決定されます。
理事会自体は月2回の開催ですが、1回目の理事会でのみ政策金利をはじめとした金融政策についての決定と発表を行います。
ユーロは世界でも重要な位置付けとされており、したがってこの発表は重要な指標とされています。
そもそも政策金利とは、景気や物価の安定などといった金融政策上の目的を達成するために、各国の中央銀行が設定する誘導目標金利のことで、これにより金融機関の預金金利・貸出金利に影響を及ぼすことになります。
またこれは一般的に好景気になることで起きる物価上昇(インフレ)傾向になった場合、政策金利を引き上げ、経済の過熱を抑えさせます。反対に不景気になることでおきる物価下落(デフレ)傾向になった場合は、政策金利を引き下げて経済を刺激させます。
ユーロ圏の金融政策の仕組みは、欧州中央銀行(ECB)と各国の中央銀行からなる欧州中央銀行制度(ESCB)を通じて、単一の金融政策として行われます。
それにより、各国の中央銀行は定められた金融政策方針に従い、各国内で金融政策を実施します。そのため、財政と金融政策のバランスがとりにくいとも言われています。
このECB政策金利の発表は、米国夏時間で日本時間の午後8時45分、冬時間で日本時間の午後9時45分の発表です。
FXにおけるECB政策金利発表の影響度・チャートの値動き
このECB政策金利発表で金利に大きな変更があった場合、マーケットに与える影響はとても大きいとされています。そのためこれは注目される指標でもあります。
またこの中央銀行の政策金利による狙いは、物価の安定を目指しています。
そのため、物価を上昇させたい場合は政策金利を引き下げます。金利が引き下がれることにより、金融機関が中央銀行などから低い金利でお金を借りることができるため、一般企業も金融機関から低い金利でお金を借りられるようになります。そうなることにより、企業が新しい機械を買ったり、個人がマンションを買うなどしてモノの購入が盛んになり、景気が良くなり、その結果物価が上昇しやすくなる、という流れが考えられます。
政策金利を引き上げた場合はその反対になり、企業などは高い金利でお金を借りることになるため、モノの購入を控えるようになります。そうなると景気が悪くなり、物価が下落するという流れになると考えられます。
また、ユーロは為替市場において米ドルに次いで2位となっているため、貿易や金融取引の決済通貨として米ドルの大体ともなりうる通貨として数少ない1つとも言われています。
実際に、原油取引の決済喉においては、米ドルよりもユーロを使う国が増えたともいわれています。
経済規模の大きいドイツやフランスのは特に影響力が強く、そのなかでもドイツの経済指標はユーロ相場の変動にも大きな影響を与えます。
そのため、ドイツやフランスの経済が好調の場合はユーロ相場も強含み、反対に停滞した場合には弱含む傾向になるといわれます。
また、ユーロ圏には経済大国であるドイツやフランスがある一方、ギリシャなどの経済問題国も混在していることから、国々の格差が通貨としての不安要素となることも懸念されます。
まとめ
このように、ECB政策金利発表とは、景気や物価に影響が出る金利の発表がされることをいいます。
この金利の引き上げや引き下げによって物価の上昇や下落、それに合わせて個人消費量にもつながることも予想されます。
物価の安定を目指す政策金利の動向は、景気に大きな影響を及ぼすため、各国の経済の先行きを見通すにあたっての重要な指標だと言えるでしょう。
また、ユーロ圏全体を統括する欧州銀行によって発表されるため、ヨーロッパの諸国の経済状況などにも注目するべきだと考えられます。